地球温暖化が問題になっている近年、その影響なのか日本でも相次ぐ大型台風の上陸や局地的な集中豪雨など各地で大規模な水害が増えて来ています。
そんな時、一番心配なのは家への「浸水」ではないでしょうか?
低地や斜面、河川・海のそばの一軒家にお住まいの方は家の中に水が入ってきてとても大変な経験をされた方も多いかと思います。
マンションやアパートなどの集合住宅についても安心は出来ません。
ベランダにたまった水があふれたり、少し建て付けの悪い窓の隙間から水が侵入してくる場合もありますし、特に1階にお住まいの方の場合は洗濯機・トイレ・風呂場の排水口から水が逆流してくるという危険もあります。
水害対策としてよく挙げられるのが水の侵入を防ぐために置かれる「土嚢(どのう)」です。
読んで字のごとく、土を土のう用の袋に入れたものを玄関などに置いて浸水を防ぐというものです。
確かに、水害時には心強い土のうですが…マンション・アパート等の集合住宅に使うのは重さや大きさの問題もあって難しいですよね?特に賃貸の場合は余計に気を使ってしまうのではないでしょうか。
「集合住宅でも水害対策をしたいがどうしたらいいかわからない」
「マンションやアパートでは土のうは使えない…」
「賃貸なので水害対策したいけど色々気を使ってしまう…」
でも、大丈夫!
マンションやアパート、賃貸でも「自宅にあるもので」「簡単に作れる」土のうの代わりになるものがあるんです!
今回のコレドウ?はズバリ「マンション・アパート等集合住宅の水害対策」です。
水害対策どうしようか?と考えていて出遅れてしまった、どうしたらいいか分からずまだ何も対策が出来てないというそこのあなた!
今からでも遅くないですよ!!
この記事を是非参考にして、自分で出来る水害対策やってみませんか?
それでは早速始めましょう!
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Contents
マンション・アパートでも危険!ベランダは冠水します
マンション・アパートの場合一番恐ろしいのが「ベランダの冠水」です。
普段全く意識していないと思いますが、台風や集中豪雨などで短時間に大量の雨が降ると、ベランダはちょっとした池状態になります。
ベランダに排水口がある場合はまだ良いですが、古い物件になるとそれが無いベランダが割と沢山あって、そういうベランダの場合はあっという間に水がたまり最悪冠水して部屋に水が侵入して来ます。
また排水口がある場合でも水量に排水が追いつかなかったり、排水口がゴミ等で詰まっていたりしてうまく流れないと冠水する可能性があり、
「就寝中にベランダの水が溢れてしまい、朝起きたら部屋が水浸しになっていた」
などどいう最悪の事態になる事も考えられます。
実は管理人が以前住んでいたマンションは築年数が古く排水口がないタイプのベランダで、大型の台風が通過した翌朝ベランダを見たら池状態、あとほんの少しで水が部屋に侵入…という非常に危険な経験をしたことがあります。
それまでベランダが冠水するという意識など全くなかったのですが、この経験から意識が180°変わりました。
台風・集中豪雨などの際は、ベランダの水害対策を忘れずにしましょう。
恐怖!窓の桟からも水は侵入します
アパートやマンション等の集合住宅では、思わぬ場所からも浸水のリスクがあります。
それは、窓の桟です。
普通の雨なら何でもないですが、台風などの暴風を伴った雨の場合は特に注意が必要で、さらに雨戸のない物件の場合は非常に危険と言っても過言ではありません。
水って、ほんの少しの隙間からでも侵入してくるんですよ。
集合住宅は密閉性が高いと言われていますが、窓の建て付けが少しでも悪いと暴風雨時にはそこから水が普通に入ってきます。
実際管理人は台風の時、何の前触れもなく突然自宅の窓の桟から水がゴボゴボ音をたてて侵入して来た経験があります。
ちょうど暴風雨が直撃する位置に窓があったので、ガタガタと風圧で動いてしまったのです。さらに悪いことに、窓には雨戸がありませんでした…。
窓の桟の浸水は本当に大変で、桟にタオルを詰めては絞るを台風が通過するまで一晩中やっていました…
風向きにもよりますが、あなたの家の窓に雨戸がなく台風等の暴風雨を受けるような位置にある場合は、しっかり浸水対策をしましょう。
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悪臭被害も!排水口からの逆流
特にマンション・アパートでも1階に住んでいる方は、台風や集中豪雨の時にはトイレ・洗濯機・風呂場からの逆流に注意が必要です。
台風や集中豪雨の時は、大量の雨が下水に流れ水位が急上昇することで逆流し、トイレ・洗濯機・風呂場の排水口などから水が噴き出る事があり、深刻な場合は2階まで逆流する場合もあります。
「ゴポゴポ」という様な普段とは違う異音が排水溝から聞こえてきたら危険なサインなので、この音が聞こえたらすぐに対策を取ってください。
対策をせずに逆流を許してしまうと…
部屋が水浸しになるのはもちろんのこと、床や家具・電化製品などの損害や、下水の悪臭に悩まされたりその後の衛生状態悪化による健康被害など、深刻なダメージを受けてしまいます。
普段、下水の音に気をつけるということも無いと思いますが、台風や集中豪雨の時は特に気を配って早めの対策を。
マンション・アパートの水害対策は「水嚢(水のう)」が一番!
さて、ここまで書いて来ましたがマンション・アパート等の集合住宅で水害対策するには何が一番良いかと言うと…
ズバリ「水嚢(水のう)」です!!
水のうはご家庭にあるものですぐに作ることが出来る上に、土のうと同じぐらいの効果があり、土と違って中身が水なので流動性があるため、色々な形状の場所にぴったりと収まることが出来ます。
賃貸の物件でも、これなら安心して使えると思います。
国土交通省でもリーフレット「家庭で役立つ防災」の中で、水害対策として有効と呼びかけている「水のう」。
その作り方と使い方を詳しく見て行きたいと思います。
ゴミ袋+水+ダンボール
用途:玄関やベランダの浸水対策
材 料:45リットルぐらいのゴミ袋2枚、水、あれば大きめのダンボール
作り方:45リットルぐらいのゴミ袋2枚を二重にして水を半分ほど入れ空気を抜いて口をしっかり閉める
使い方:玄関やベランダの出入り口などに隙間なく並べる
※大きめのダンボールに水のうを入れたものをつなげ、ブルーシートで覆ったものを使うと強度が増す
実際使ってみると、ゴミ袋だけだと中身が水のため並べる時つるつる動いてしまって安定があまり良くありません。
図のようにダンボールに入れてブルーシートで覆っても良いですが、そこまで数がなければダンボールをさらに70リットルぐらいの大きめのゴミ袋に入れて口を縛ったものを並べるのが楽です。
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ポリタンク+水+シート
用途:玄関やベランダの浸水対策
材 料:10または20リットルのポリタンク数個、水、ブルーシート等のシート
作り方:10リットル又は20リットルのポリタンク数個に水を入れ、レジャーシートで巻き込む
使い方:玄関やベランダの出入り口などに連結して置く
※ビニール袋で作ったものよりしっかりしているので、もしご家庭にポリタンクがある場合はおすすめです。
水のうを使ったトイレ・洗濯機・風呂場の下水逆流対策方法
ゴミ袋で作った水のうを使ってトイレ・洗濯機・風呂場の排水口からの逆流を防ぐ事が出来ます。
どれも45リットルほどのゴミ袋を二重にして半分ほど水を入れて口を縛った水のうを使っています。
【トイレ】
水のうの置き方: トイレの便器に水のうを置く。その時は必ず水のうが便器の内側全体を覆うようにして置く。(小さいサイズだと重さが足りずに逆流が抑えられない)
【洗濯機】
水のうの置き方: 洗濯機の排水ホースを排水口から抜き取り排水溝を覆うように水のうを置く。洗濯機の下に排水口がある場合は洗濯機をずらして見えるようにする。
【風呂場】
水のうの置き方: 排水口のフタを覆うように水のうを置く。
※浴槽と洗い場に排水口が2つある場合は両方覆う
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窓の桟からの浸水対策には傘袋を使った水のうを
窓の桟から水が入って来るというのは結構大変で、暴風雨の風向きに面した窓が複数あったらすべての窓に浸水のリスクがあるので、その対策は必至と言っても過言ではありません。
窓の桟からの浸水の防止には傘袋を使った水のうがおすすめです。
傘袋というのは、よく雨の日にスーパーやショッピングセンター等の入り口に下がっている傘を入れるための細長いビニール袋です。
こういうの、見たことありますよね?
これを二重にして桟の長さに合わせて水を入れて口を縛ったものを、水のうとして桟にはめこむようにして置きます。
細長くて二重にし辛い場合は、それこそ傘や突っ張り棒などの細長いものを使うと簡単に二重に出来ます。
あまり目一杯水を詰めてしまうと、桟にうまくはまらないので少しだけ余裕を持って詰めるようにしてください。少し余裕があるとうまく桟にはまって、しっかりと隙間を埋めてくれます。
もしこれでも頼りないなと思う時はまず先に新聞紙やキッチンタオル、タオルなどを桟に敷き詰めてから、水のうを埋め込むとさらに安心だと思います。
ちなみに窓からの浸水はどの階にいてもリスクがあります。
一度管理人が被害にあった時は3階に住んでいました。しかも被害があった窓はベランダにも面しておらず、暴風雨が当たるだけでも浸水のリスクがあります。
突然何の前触れもなく「ガタガタ」と窓が上下に揺れだし、やがて「ボコボコ」という音と共に水が水が沸騰した時のような感じで桟の隙間から溢れてきます。
一度溢れるともう止まらず、何も準備をしていなかった管理人は一晩中浸水を食い止めるために、おろしたてのキッチンペーパー4ロールセットを全て使い切り、さらにトイレットペーパーを6ロール使い切り、それでも足りずに家にあったほとんどのタオルを使っては絞ってを繰り返していました。
一睡も出来ず本当に大変だったので、何かいい方法はないか…と考えてこの傘袋による水のうを考え出しました。
あまり窓の桟からの浸水対策について詳しく書かれているものがなかったので、自分の経験をもとに紹介させていただきました。
ちなみにこの傘袋は傘を入れるだけでなく、ポスターを保管したり、ごぼうやネギなどの細長い野菜の保管に使ったりとあると何かと便利なんです。
ホームセンターや100円ショップ、包装紙やパッケージなどを取り扱っているお店や、Amazonや楽天市場などのネットショプでも買えますし100枚で150円前後と値段も高くはないので、是非一つ持っておくことをおすすめします。
1階に住んでいる場合は玄関には土のうを
ここまでマンションやアパートに住んでいる方向けの水害対策として水のうを紹介させていただきましたが、1階にお住まいの方は玄関の浸水対策としてやはり土のうを使うのがおすすめです。
1階は水害が起きた時は一番浸水や冠水のリスクが大きいので、水のうよりも重さがあって丈夫な土のうで玄関を守ってほしいと思います。
ここでは、土のうの作り方と入手方法などをご紹介したいと思います。
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そもそも土のうとは?
土のうは、そういえばよく工事現場などで目にしますよね。
あの中身がどうなっているのか深く考えたことはなかったですが、ただ上の写真のような袋が重なって置いてあるなぁという印象です。
そもそも土のうってどういうものなんでしょうか?
土嚢(どのう)は、布袋の中に土砂を詰めて用いる土木資材のこと。
水害時の応急対策や土木工事全般に用いられるほか、爆発物の処理、銃弾や砲弾破片を防ぐ遮蔽物などにも用いられる。砂を詰める場合には砂嚢(さのう)ともいう。
出典:Wikipedia
Wikipediaの解説でもわかるように、大変丈夫なものであるというのがわかると思います。専用の布袋に土や砂を詰めてつくられているものなんですね。
これだけ丈夫で重さがあれば、水が迫ってきても流されること無くしっかりと玄関を守ってくれそうですね。
土のうの作り方
では土のうはどうやって作ったら良いのでしょうか?
YouTubeで詳しい作り方を紹介していましたので、是非参考にしてみてください。
作る時のポイント次の4つです。
- 土を詰める時土のう袋を裏返す
- 土の量は袋の6〜7分目入れる
- 袋の結び目と縫い目は表に出さない
- 出来た土のうを袋の上からレンガや角材などでよく叩いて整形する
ちなみに土のう袋はホームセンターや、Amazon・楽天市場などのネットショップでも買うことが出来ます。10枚で約300円ちょっとです。
作り方の映像でもわかるように、土のう作りは複数人で作る方が手際よく出来ます。
一人で作るとなるととても大変な作業ですし、もし女性一人で作るとなると相当時間と体力がかかってしまうことが考えられます。
家族や友人など、少なくとも2人以上で作ることをおすすめします。
土のうが作れない時は ①土が要らない土のうを使う
土を確保できる環境にある場合は土のう袋さえあればすぐ作れますが、土の少ない都市部などに住んでいる人は、土がなかなか確保出来ず土のうが作りたくても作れないという状況である場合が多いと思います。
また、女性の一人暮らしやお年寄りなど、重い土のうを作ったりする時間や体力がないという場合もありますよね?
そんな時は、袋に水を吸わせるだけで膨らむという土が不要な土のうがおすすめです。
水に吸わせる前は軽くてコンパクトなので保管も楽ですし水を吸わせるだけで簡単に土のうが出来てしまうので、積もうとしている場所の前で作業をすれば女性やお年寄りでも楽に土のうを作って積む事が出来ると思います。
10枚セットで3000円台〜高いものだと1万円を超えるものもありコストは高いですが、保管のしやすさと楽に作れるという点ではおすすめです。
ホームセンターやAmazonや楽天市場などのネットショップでも売っています。
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土のうが作れない時は ②自治体で設けている「土のうステーション」等を活用する
土のうが自分で作れない環境や状況にある場合は、是非自治体が設置している「土のうステーション」「土のう設置場所」などと呼ばれる、予め作られた土のうが沢山ストックされている設置場所を活用してみましょう。
災害対策などの時に各自治体が決めた設置場所にある土のうを使うことが出来ます。
自分の家まで持って帰る手段が必要ですが、あらかじめ作ってある土のうが使えるのはありがたいですよね!
多くの自治体が土のうを設置しているので、是非一度お住まいの自治体のHPを確認してみてください。また、自治体によっては無料配布の場合と貸出の場合があるので、そちらも合わせてチェックしてみて下さいね。
さいごに
いかがでしたか??
今回はマンションやアパートなどの集合住宅の水害対策について詳しく見て行きました。
集合住宅であっても浸水や排水口からの逆流などの恐れがある場所が予想以上に多くありましたよね?また家庭で簡単に作れる「水のう」を利用することで様々な対策が取れるということもわかりました。
そして、1階に住んでいる方は室内のリスクには水のうを、玄関の浸水にはスタンダードな土のうを活用するなどケースに応じて使い分けて対策を考えると良かったですね。
さらに土のうの作り方や水で膨らむ便利な土のう、自治体が設けている土のう置き場についても紹介しました。
「災害は忘れた頃にやってくる」
との言葉どおり、水害もある日突然予告なしでやってきます。
そんな時、どれだけすばやく対策が取れるかが重要です。
つまり、水害対策の知識があるかないかでその後の人生に大きな差が出る、と言っても決して過言ではありません。
是非この記事が、マンションやアパート等の集合住宅にお住まいの皆様の水害対策の手助けになればと思っています。
では今回も、最後までお読みくださり、ありがとうございました。